ID-L010 ブライトストックについて | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ブライトストックは、パラフィン系基油の各種潤滑油製品を製造するための基油の中で最も高粘度で、「ニュートラル」と称する基油とは若干製造方法が異なっています。 製造方法を図1に示しますが、減圧蒸留装置から出る残さ油(アスファルトの原料)に潤滑油成分を選択的に溶解するプロパン等の溶媒を混合し、潤滑油成分だけを溶解させてアスファルト分やその他の不要分を分離します(溶剤脱れき装置)。 潤滑油成分を含んだ液状プロパンを次工程で分離した後、潤滑油留分は溶剤抽出装置でフルフラール等によって芳香族分やレジン分、その他の不純物が除去されます。この結果、油の色相や粘度指数、酸化安定性等が向上しますが、さらに精製度を上げるため水素化精製装置を通し、硫黄、窒素分を除去後、脱ロウ処理をされ、ブライトストックとなります。 外観は蛍光色が強く、透明で緑を帯びた明るい褐色をしており、常温では非常に粘い油で、動粘度が40℃で「450〜550mm2/s」程度のものが生産されています。 「ブライトストック」という名前の由来は、石油精製が今日のような近代設備となる前に、シリンダーストックという原料にナフサ(ガソリン、化学工業製品の原料)を混ぜて、冬期放置しロウ分を析出させた後、上澄みのナフサ溶液を汲み取り、蒸留してナフサ分を除くと色相のよい高粘度基油が得られたことから、ブライトストックと呼ばれるようになったとのことです。 ![]() 図1 ブライトストックの製造工程 《注》図1において、プロパン分離後の脱れき油が溶剤抽出装置と水素化分解装置に分かれて流れていくように表示していますが、実プラントではどちらか一方が採用された装置となっています。
参考文献 石油便覧燃料油脂新聞社 |