ID-L230 ニュートン流体とは
 
 水や鉱油のような液体は、外力が加わっている間はどこまでも変形し続けて止まらない、つまり流動が起こります。しかし、水のようにサラサラした液体の流動と、水飴のようにドロドロした液体の流動は大きく異なります。
 
 ニュートン流体とは、このような粘性流体の流動特性を表したものであり、ニュートンが見出した「ニュートンの流動法則」にしたがう流体のことを言います。
 
 ニュートンは図1のように同一軸をもつ二重円筒の中間に液体を入れて、その内側の円筒を回転して外側の円筒に加わる力を調べました。その結果から「せん断応力(τ)がせん断速度に比例する(図2−a)」という関係を見出しました。

 Aはすべりの面積、Fはその面に加わる力、F/Α=τはせん断応力であります。u/hおよびdu/dhはせん断速度またはずり速度と呼ばれています。ηは定数であるが、一般にηのことを粘性係数または粘度と言っています。
 
 潤滑油の多くはニュートン流体ですが、潤滑グリース、塗料、印刷インク、コロイド溶液などは上式にしたがいません。このような流体をニュートンの流動法則にしたがわないという意味で非ニュートン流体と呼んでいます。非ニュートン流体には、塑性流体あるいはビンガム流体(図2−b)、擬塑性流体(図2−c)、ダイラタンシー流体(図2−d)といったものがあります。
 

 
図1 ニュートンの粘度測定装置

 
図2 流動特性の分類
 
「参考文献」
  トライボロジー業書2 潤滑剤の実用性能 (1975) 幸書房
 
 

 
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