ID-302 油圧作動油のコンタミネーションコントロールについて
 
 油圧システムの運転に使用される作動油は清浄なことが必要です。油圧作動油がいかに高性能であっても、その中に異物が混在すると油圧システムの正常な運転に支障を生じることが起こってきます。
 
 それは油圧システムに使用されているポンプや、各種の制御弁、油圧シリンダ、油圧モ−タなどが、それぞれ高圧で押されて擦れあう部分を持っていたり、非常に小さな隙間に入っている部品を、微少な操作力で動かす必要があるためです。
 
 油圧作動油の中に入ってくる異物は様々な種類があり、いわゆるゴミですが、これを総称してコンタミナントといいます。
 
 コンタミナントの測定、あるいは混入防止や除去など、あるいは清浄度の改善・維持を図ることをコンタミネ−ションコントロ−ルと呼んでいます。
 
 油圧作動油へのコンタミナント混入経路は次の三つがあります。
 
  1.残留  2.侵入  3.発生
 
 残留は油圧システムの製造工程中に雰囲気からの塵埃や管材、鋼板の内面から離脱した錆などが内部に残ったものです。
 
 侵入は運転中に油圧タンクの通気孔、油圧シリンダのダストシ−ルなどから入ったもの、あるいはシステムの分解点検中に入ったものです。
 
 発生は作動油あるいはそこに配合されている添加剤の劣化物、摩耗粉やサビなどがあります。これらを図1に示しました。
 

 
図1 油圧システムの残留、侵入、発生コンタミナント
 
 作動油のコンタミネ−ションコントロ−ルを適切に行ない、油圧システムを故障させず、長期間にわたって運転することが必要です。
 
 

 
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