ID-S04 潤滑管理の業務内容と担当分担の具体例について |
潤滑管理の業務内容と担当分担の具体例について教えて下さい。 |
潤滑管理システムをスムーズに展開させるためには、具体的な業務内容のリストアップと各業務の担当区分を明確にしておくことが重要です。具体的な実行例として、鉄鋼業での事例をご紹介します。 N製鉄所では下記の潤滑管理作業項目に対して、管理・整備・運転・資材・分析・財務・メーカーの各部門毎に担当区分を明確にした業務フローを確立し、攻めの潤滑管理活動を展開し、これによって多大の経済効果を上げました。 |
@ | 潤滑部位の点検(日常&定期点検) |
A | 給油脂作業(計画表作成&作業) |
B | 潤滑油の性状管理(定期&突発分析) |
C | 油中摩耗粉分析診断(定期&突発分析) |
−フェログラフィ分析− | |
D | 更油及び再生処理 |
E | タンク内の油量調査 |
F | 油脂の使用計画(一般補給&新設) |
G | 使用油脂の選定(新増設&油脂変更) |
H | 潤滑油消費量の管理 |
I | 潤滑油のトラブル及び技術検討改造 |
J | 潤滑油脂設備の機構改善検討 |
また、表はK製鉄所での潤滑管理業務の概要と担当区分を示したものです。潤滑管理システムを検討をする場合の参考として下さい1)。 |
管理室 | 保 全 | 工 場 | 油圧班 | 資 材 | 備 考 | |
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潤滑剤選定 | ◎ | ○ | ○ | ○ | 建設時、共通品化登録 | |
潤滑剤統合 | ◎ | ○ | 1回/yr実施 | |||
メーカー選定 | ◎ | ○ | ◎ | |||
日常点検 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | 目視主体 | |
定期分析 | ◎ | ○ | ○ | 油メーカーと共同、所内基準 | ||
異常分析 | ◎ | ○ | ○ | |||
潤滑油再生 | ○ | ○ | 専用再生メーカーの採用、所内基準 | |||
廃 油 | ○ | ○ | ||||
潤滑教育 | ◎ | ○ | ○ | |||
標準化 | ◎ | ○ | ○ | ○ | 作業基準 | |
基準化 | ◎ | ○ | ○ | ○ | 社内基準 | |
消費管理 | ○ | ◎ | ○ | 油種別、設備別 | ||
技術管理 | ◎ | ○ | ◎ |
潤滑技術スタッフの主たる業務 |
○省資源対策立案、推進 |
○省エネルギー対策立案、推進 |
○潤滑油圧標準化立案、テスト |
○新潤滑剤の検討、テスト |
○潤滑トラブルの技術検討 |
○所内潤滑教育の立案、推進 |
「参考文献」 1)PETROTEC:第8巻 第8号(1981)潤滑管理シリーズ「製鉄所における潤滑管理」 「出典」 潤滑管理Q&A 月刊トライボロジ1991.5 p34−35 |