ID-134 微量塩素分の分析について 金属加工油剤では、過去より塩素化パラフィン等の塩素系極圧添加剤がそのコストパフォーマンスの高さから広く使用されている。しかし、これら塩素系極圧剤は1.焼却処理時に毒性の強いダイオキシンを発生する可能性があること 2.一部の塩素化パラフィンに発ガン性があると報告されたこと などから、各油剤メーカーでは塩素系極圧剤の代替検討が精力的に行われている。このような環境問題に関連した背景より、塩素分の分析、とりわけ微量の塩素分析が注目されている。ここでは、微量塩素分の分析法の中でも進歩が著しい機器分析法について概説する。 代表的な塩素分の機器分析法について、特徴を表1にまとめた。これらは以下に示すようにいずれも一長一短があり、試料あるいは分析の目的にあわせ使い分ける必要がある。
*1 塩素の発光線波長が真空紫外領域にあるため、該領域の測定が可能な機種に限られる。 最近では、燃焼-電量滴定とイオンクロマトグラフィーを組み合わせ、より適用範囲が広くかつ精度の高い分析法の開発が試みられている。今後も微量塩素分析法は、機器分析を中心に発展していくものと考えられる。 【参考文献】 実験化学講座(1990) p218〜225 |