ID-144 有機モリブデンについて
 
 正式名は有機モリブデン化合物(以下OMCと略します)と呼ばれ、中身はモリブデン、硫黄、リン等の配合からなる化合物です。
モリブデンは鉱山から採取される固形物ですが、市場には2つの方法で販売されています。
(1)二硫化モリブデン:微粒子の固体潤滑剤
(2)有機モリブデン化合物:油溶性化された液体潤滑剤
 用途としては、ガソリン・ディーゼルエンジン油、工業用ギア油他、金属加工油等 の摩擦低減剤、摩耗防止剤及び酸化安定剤として少量添加され、金属同士が擦れ合う 部分の摩擦や摩耗の抵抗を下げ、負荷を小さくする効果があります。
OMCは特にガソリン・ディーゼルエンジン油において評価の対象となっており、固体潤滑剤では効果が出せない部分をカバー出来る性能を有しています。
 最近、環境対策として各カーメーカーが省燃費、排ガス低減を前面に打ち出してい ますが、OMCもエンジン内部の動弁系他の部分の負荷を小さくする事で燃料の消費を 少なくする(=排ガスの低減)のに一役かっています。
今後、省燃費・排ガス低減の要求は益々ハードルの高い物となりますが、OMCはそれをクリアするための注目の的となっています。
[参考文献]
  旭電化工業株式会社 油剤営業部 資料
 
 

 
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