ID-333 添加剤の分析法について

添加剤は、潤滑油の品質.性能(酸化防止性.腐食防止性.耐摩擦摩耗性など)を大きく改善します。したがって、潤滑油には通常添加剤が添加されています。以下に添加剤の種類と未知及び既知の潤滑油の添加剤や添加量を調べたり、使用中の添加剤の消耗度合いを調べたりする時の分析法について述べます。

潤滑油の添加剤は、酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食防止剤、さび止め剤、極圧添加剤、油性向上剤、乳化剤、抗乳化剤、あわ消し剤などがあります。グリースの添加剤としては、潤滑油に加えられている酸化防止剤、さび止め剤、極圧添加剤などの他に、充填剤、構造安定剤などが添加されています。

添加剤の分離方法としては、蒸留、溶媒抽出、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[吸着クロマトグラフィー(TRC)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、イオン交換クロマトグラフィー]、ゴム膜透析、酸分解法などがあります。
添加剤成分中、有機成分の機器分析法としては、ガスクロマトグラフィー(GC)、赤外吸収スペクトル分析(IR)、紫外吸収スペクトル分析(UV)、質量スペクトル分析(MS)、核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)などが行われています。一方添加剤成分中の金属、非金属定性定量分析には、発光分光分析、原子吸光分光分析、蛍光X線分析、X線回折法が有効に行われています。電子スピン共鳴分析(ESR)、X線光電子分光法(XPS)も使用されることがあります。
下図に潤滑油製品の分析法の概要を示します。

 
 

 
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