ID-168 RBOT(回転ボンベ式酸化安定度試験法)について
 
 潤滑油の酸化安定性を実験室的に評価する方法として、JIS K 2514では潤滑油の種類によって3つの方法が規定されています。その一つがRBOT(Rotating Bomb Oxidation Test、回転ボンベ式酸化安定度試験法)です。
 RBOTはタービン油、油圧作動油、空気圧縮機油等の酸化安定性を評価する方法ですが、この方法は主として基油、添加剤が同一のタービン油新油の酸化安定度を迅速に評価する場合に用いられます。また、製品の品質管理や使用油の残存寿命を推定したい時にも用いられますが、潤滑油メーカーでは、潤滑油の基油、添加剤の酸化安定性を評価したり、酸化防止剤の性能を評価する場合にも用いられます。

図1 回転ボンベ式
 酸化安定度試験器

 
 試験の原理は次の通りですが、試験の手順、試験器の詳細についてはJIS K 2514もしくはASTM D2272を参照して下さい。
 
(1)試料、水及び触媒コイルを入れた蓋付き試験容器を、圧力計を備えたボンベの中に入れます。ボンベの中に酸素を620kPa(6.3 kgf/cm) まで圧入した後、150℃の恒温槽に入れます。
 
(2)ボンベを30度の角度に保持しながら毎分100回転で回転させます。圧力が最高になったときから175kPa(1.8 kgf/cm)下がるまでの時間を測定します。
 
 本試験では、圧力が下がるまでの時間が長い程、酸化安定性は良好であると判定します。なお、ボンベと回転ボンベ式酸化安定度試験器の概略をそれぞれ図2,図3に示します。
 
 
図2 ボンベ(一例)
  
番号部品名
1圧力計取付口
2ニードル弁取付口
3導管(外径12.7,内径6.4)
4締付け金具
5排油孔(4個)
6ボンベのふた
7Oリング
8ねじ山
9ボンベ本体
 
 
 
図3 回転ボンベ式酸化安定度試験機(一例)
 

 
 

 
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