ID-336 微粒きょう雑物測定法について

 電力用タービン油や油圧作動油の油中微粒子判定法として重量法と計数法があります。

 重量法は、作動油100ml中の汚染物質(固形物)をmgで表す方法であり、微粒子による影響が比較的少ない装置に適用されます。
<重量法>
 一方、計数法は100ml中の微粒子をその大きさによって区分し、それぞれの区分ごとに微粒子の数を測定して表すもので、サーボバルブを使用した精密油圧系統の汚染を厳しく管理する必要がある場合に適用されます。
<計数法(目視法)>
 計数法の測定方法として、顕微鏡または拡大投影器を使いろ紙上の微粒子を数える目視法と、ハイアック(HIAC)法と呼ばれる米国HIAC社の自動微粒子測定装置で計測する方法があります。
<ハイアック(HIAC)法>
 自動微粒子測定装置の原理は、試料がセンサを通過する時に、粒子が光をさえぎることにより変化する光量をセンサが検出し、個数およぴ大きさをセットしておいた粒子サイズの分類に応じて自動的に表示します。  測定値は、サイズの分類により下表の基準に該当するNAS等級およびSAE等級などで表します。
表1 計数法によるNAS汚染基準(NAS)(100ml中の個数)
サイズ
分 類
(μ)
00 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
5-15

125

250

500

1,000

2,000

4,000

8,000

16,000

32,000

64,000

128,000

256,000

512,000

1,024,000

15-25

22

44

89

178

356

712

1,425

2,850

5,700

11,400

22,800

45,600

91,200

182,400

25-50

4

8

16

32

63

126

253

506

1,012

2,025

4,050

8,100

16,200

32,400

50-100

1

2

3

6

11

22

45

90

180

360

720

1,440

2,880

5,760

100以上

0

0

1

1

2

4

8

16

32

64

128

256

512

1,024

表2 作動油の汚染度(SAE、ASTM、AIA)100ml中、個数
クラス 粒子の大きさ
5〜10μ 10〜125μ 25〜50μ 50〜100μ 100μ以上
0 2,700 670 93 16 1
1 4,600 1,340 210 28 3
2 9,700 2,680 380 56 5
3 24,000 5,360 780 110 11
4 32,000 10,700 1,510 225 21
5 87,000 21,400 3,130 430 41
6 128,000 42,000 6,500 1,000 92

 
 

 
Copyright 1999-2003 Japan Lubricating Oil Society. All Rights Reserved.