ID-367 ISO6743 FamilyX(グリース)の分類について (1987年制定)
 
 
ISO6743-Part 9 family X に分類されるグリースの種類は次のとおりです。
ISO L 使用温度範囲 水混入に対する適合性 負荷特性 番号
下 限 温 度 (℃) 表示記号A 上 限 温 度 (℃) 表示記号B 使用にあたっての条件 表示記号C 表示記号 D NLGL 番号 表示記号 E
使用環境 要求防錆性能
X 0 A 60 A 乾燥した場所 必要なし A A ; 極圧性を 必要と しない 使用条件 000
90 B 清水での防錆性 B 00
120 C 海水での防錆性能 C 0
140 D 湿潤な場所 必要なし D 1
160 E 清水での防錆性能 E 2
180 F 海水での防錆性能 F 3
>180 G 常に水のかかるような場所 必要なし G B ; 極圧性が 必要な 使用条件 4
-20 B 60 A 清水での防錆性能 H 5
90 B 海水での防錆性能 I 6
120 C
140 D
160 E
180 F
>180 G
-30 C 60 A
90 B
120 C
140 D
160 E
180 F
>180 G
-40 D 60 A
90 B
120 C
140 D
160 E
180 F
>180 G
-40以下 E 60 A
90 B
120 C
140 D
160 E
180 F
>180 G
グリースの JIS表示は、上記 表にもとづき表示されます。(表中、「使用温度範囲」「水混入に対する適合性」「負荷特性」「番手」は、それぞれ独自に選定します。
具体的な表示方法は、つぎのようになります。

ISO-L-X「表示記号A」「表示記号B」「表示記号C」「表示記号D」「表示記号E」 のの順にならべます。
例として、"ISO-L-XBEGB00"と言う表記の場合、
このグリースは、『下限使用温度が-20℃、上限使用温度が+160℃、水が常にかかるような場所での使用ですが、特に防錆性能は要求されていません。しかし、極圧性を有しており、そのちょう度は、NLGL規格で「00番」の品質のもの』ということになります。
なお、おわかりのように、ISOでは、増ちょう剤による分類はなされていません。使用条件を定めてそれに適合する品質の分類となっています。従って、おなじ表示記号であっても、増ちょう剤が異なるとトラブルのもとになりますので、この点には注意が必要です。また、グリースは各種各様の使用方法があります。このため、ISOでは、特殊な用途および特殊なグリースの使用に関しては、需要家とグリースメーカー等が事前に相談し決定する事を薦めています。

以 上
 
 

 
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